暇人のバイブル

人生は退屈との戦いなのです

京都までヒッチハイクで旅してきた

 

  1. エピローグ
  2. 人生初のヒッチハイク
  3. 運ちゃんとの出会い
  4. これが人生

 

 1、エピローグ

現在東京の某高校に通っている私(高2)。

 

毎年この時期になると、大量の中学生が高校入試を受けるために我が高校に押し寄せてくる。そのため入試準備から本入試、採点まで含め高校生は5日間学校と部活が休みとなる。

(世間の高校生はこれを”入試休み”と呼ぶ)

 

まっとうな高校生はこの休みを勉強に当てたり、恋人同士で千葉にあるネズミの国に行ったりするのだが、勉強意欲もなければ彼女もいない私は当然だがやることがない。つまり暇なのである。去年の入試休みは、河川敷で拾った流木をピッカピカになるまで紙やすりで磨いちゃうぐらい暇だった。

 

 

去年の二の舞になることは避けたい、、、そう思った私。いろいろ考えた結果、どこか遠くへ旅に出ることにした。

 

前の記事で述べたが、私は世界を旅することに強いあこがれを抱いている。

 

parallel16.hatenablog.com

インド、ミャンマー、トルコ、クロアチアetc...行きたい場所は山ほどある。

中でも前から行きたいと思っていたキューバに強く惹かれた。

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ってことで行き先はキューバに決定。航空券とホテルの手配を進めていたが、ここで母からペアレントストップがかかる。『海外、ダメ、ゼッタイ。』それが母の基本方針。詳しい情報は何一つ持っていないのに海外は危険だという固定観念に囚われ続ける44歳は軽蔑に値するが、冷静になって考えてみると往復20万円を超える航空券代を捻出する財力は私には全くない。悔しいがキューバあきらめるほかない。

 

 

 

また去年のようにダラダラと過ぎ去る時間を呆然と眺める5日間となってしまうのか、、、絶望しかけていた私を救ってくれたのは最寄駅で見かけた一枚のポスターだった。

 

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『そうだ、京都、行こう』でおなじみのJR東日本のポスターである。

 

このポスターを見た瞬間、私は思った。『そうだ、京都、行こう』。

(見た人を一瞬で京都に行く気にさせるJRの企画力はさすがだが、今回の旅で私はJRに1円も落としていない笑。ごめんよJR笑)

 

そんなわけで旅の行き先は京都に決まった。この時点で入試休みまであと三日。いそいで新幹線とホテルの予約へとりかかる。が、ここで新たな問題が発生する。お金が足りないのだ。所持金は15000円。私の住む東京から京都まで、往復新幹線代だけで20000円はかかるのでどう頑張っても節約のしようがない。キューバはおろか京都にすら行けない金額である。(逆になんで所持金15000円でキューバに行こうと思ったのか、不思議でしょうがないが)

 

しかし、である。

新幹線代さえかからなければ、15000円で、決して贅沢はできないが十分京都を満喫できるではないか。

 

 

では、どのようにして新幹線代を削減するか?

私の出した答えはヒッチハイクだった。

 

 

こうして私の”東京京都間、高校生ヒッチハイク一人旅プロジェクト”が始動した、、、

 

 

 

 

 

 2、人生初ヒッチハイク

2月23日AM9:00

私は東京の東名高速道路用賀インターチェンジの目の前のマクドナルドにいた。

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ここのマクドナルドの前はヒッチハイクの聖地”としてヒッチハイカー達に崇められている場所らしく、今回はそれにあやかってこの場所からヒッチハイクをすることにした。

 

天候は雨。険しい旅の行方を暗示しているかのような天気にビビってしまう私。

なかなかヒッチハイクをする勇気が出ない、、、

 

 

 

AM9:30 

ついに覚悟を決め、道に立つ。

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スケッチブックに堂々と踊る”静岡"の二字。

(いける、いけるぞっっっっっっっ!!!)

謎の自信が身体中からわきでてくる。これが聖地のチカラなのだろうか。

 

 

 

AM9:40

目の前で1台の赤ベンツが止まる。

『熱海までしか行かないけど、乗っかる?』

『はい!ぜひおねがいします!』

開始からわずか10分でヒット。聖地のチカラ、はんぱないっす。

 

乗せてくれたのは都内で獣医をされている男性。推定年齢は50歳。漫画「20世紀少年」のマルオに似ているので文中以下マルオさんと呼ぶ。

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マルオさん『いやーヒッチハイクの人乗せるの初めてだよ。』

私『ほんとですか?マルオさんの初めてになれて嬉しいです!』

マ『そりゃーどーもどーも笑。今いくつなの?』

私『17歳です!』

ま『え、ずいぶん大人っぽいねー。目的地はどこなの?』

私『京都目指してます!』

ま『おー。京都までは送れないけど笑。海老名SAまで送ってあげるよ』

私『アリガトゴザマス。』

 

 

こんな感じで会話が弾んで行く。

ヒッチハイクの心配の一つに車中で会話が続かないかも、、ってのがあったけどヒッチハイクしてるってだけで向こうがいろいろ質問してくれるれるからその心配は無用だと思う。

 

 

この後も

私『めっちゃいい車乗られてますねー乗りごごち最高です笑』

ま『でしょ笑1000万したからね笑』

私『い、いっせんまん。すごーい。』

ま『でも、この車も明日下取りに出しちゃうから、今日がラストランなの笑』

 

超高級車のラストランにご一緒させてもらってなんだか感慨深い気持ちになった。

 

そうこうしているうちに海老名が近付いてきた。もうマルオさんともお別れか、と思っていたらまさかの海老名SA通過。

 

『かわいそうだからちょっと足のばして足柄まで送ってあげるよ笑』

私『ええ、いいんですか?ありがとうございます!!』

 

初っ端から人間の優しさが沁みる、、、

 

 

AM10:45

足柄SAに到着。マルオさんともついにお別れ。人生最大級の感謝の辞を述べて車を降りた。

 

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足柄SAは温泉なんかもあったりして結構たくさんの人がいた。これは次の車もスムーズに捕まるんじゃないか?と期待を膨らませる私。

 

小腹が空いたので売店で肉まんを買って食べた。うまい。

 

 

3、運ちゃんとの出会い

AM11:15

小休止を挟んだのちヒッチハイク再開。

スケッチブックに『浜松方面』と書いてSAで1番車通りが多い場所に立つ。

 

 

AM11:45

30分ほど経った頃、目の前に、一台の大型トラックが止まった。車体のいたるところに、いかにも不良っぽい青や金色の派手な装飾が施されている。中からこれまたいかにも不良っぽい兄貴が顔を出して私にこう言った。

 

兄貴『おう!にいちゃん!乗っけたるよ!ほら、はよ乗れや!あ、車内ちょっと汚いけど勘弁な!ガッハッハッッハォーー』

 

平和な町で生まれ育った私、ゆえに不良耐性がついていない。それにこの兄貴、めちゃくちゃコワモテである。イメージ的には俳優の小沢仁志さんを若くした感じ。トラックのキャビンの高いところから見下ろされているのも相まってとんでもなく怖く見えた。

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一瞬、誘いを断るという選択肢が脳裏をよぎったが、それはそれで殺されそうだったので、超ビビリながら乗せて頂くことにした。

 

兄貴『いやー。長旅ごくろう!お、にいちゃんコーヒー飲むか?これ、さっきもろうてんけど、こうみえてワイ、ブラック飲めんねんwwww意外やろ?ガッハッハハァっっっーー。そういや目的地聞いとらんかったな?どこまで行くんや?え、京都?京都かー。大阪までは行くんやけど、京都は通らへんなー。いやー堪忍堪忍ww。でも、京都なんて寺ばっかでなんもおもんないで?大阪で串カツ食ってから京都いっても遅くはないやろ?ほな、ワイが責任持って大阪まで連れてったるわ!よろしくたのむでー』

 

乗った瞬間から怒涛の勢いでしゃべり倒され、完全に会話の主導権は相手側へ。その流れで目的地がなぜか京都から大阪へ変更されてしまった。まあ、通天閣とか見ておきたいスポットは大阪にもあるので特に問題はないが、いやはや、関西人はんぱない。

 

その後はお互いに自己紹介タイムへ。乗せていただいたのは大阪で運送業をやられている近藤さんという方。妻子持ちの49歳←見た目は35って言われても納得しちゃうくらい若々しい。ヒッチハイカーを乗せるのはこれで3回目とのこと。まったくもって悪い人ではなさそうで一安心。むしろ善人オーラ出てた。顔は完全に悪人だけど笑。声がめちゃくちゃデカくて聞き取りやすい。会話も弾みに弾んだ。

 

 

 

PM12:30

新静岡SAで昼食休憩。近藤さんは五目焼きそばを、私は中華丼をチョイス。近藤さんいわく、ここ数年でSAの飯の質は急激に向上したらしい。確かに私が幼い頃と比べても確実にバリエーションも豊かになっているし、味も地上で食べるのと遜色ないくらい美味しくなっているように感じた。私たちにとっては大したことないことだけど、毎日ガンガントラック走らせてるドライバーさん達からすると嬉しい変化なんだろうなぁと思う。

 

食事の後に近藤さんがSAのソフトクリームをおごってくれた。

近藤さん『ここのソフトはエっっっライうまいねん。ほら、食え食え!』

私『いただきます。、、、う、うまい!!!!めっちゃうまいですねこれ!!』

近藤さん『せやろ、きっといい乳使ってんやろなーーー』

 

私が完食する前に近藤さんは二個目のソフトに突入。ソフトクリームを二つ、満面の笑みで頬張る強面の49歳はみていて滑稽で思わず笑ってしまった。

 

 

 

PM1:00

新静岡SAを出発。食後は眠くなるから寝ていいでー、と気を使ってくれる近藤さん、めっちゃ優しい人やん!!

 

近藤さんと完全に打ち解けた私、大阪に着くまでにいろんなことを話した。学校生活、勉強、部活、将来の夢、仕事論から女絡みの話(下ネタ含む)まで、本当にいろいろなこと。普段絶対他人には話さないようなことも、もう会うことはないと思うと話せてしまう。本当に貴重な時間だった。新幹線で行っていたら確実に味わえなかった時間。ヒッチハイクを選んで良かったと心から思った。

 

 

特に心に残っているのは近藤さんが語ってくれた人生論。

『人生楽して生きてこうと思ったらアカン。人生どっかで頑張らないとうまくいかないようにできてんねん。勉強にしろ、仕事にしろ、頑張ったら頑張っただけ成果は帰ってくるんや。社会は”一生懸命頑張る奴”にはけっこう優しいで。少なくとも俺は優しくする。逆にこの世の中、頑張れない奴にはとことん厳しいで。だから今は自分の”頑張れること”を見つけられるように頑張れや。世界は広いで。どっかに”頑張れること”ぐらい見つかるさ。俺は応援しとるで。頑張れやにいちゃん。』

 

 

熱い言葉に私は深く心を打たれた。自分の人生を頑張っているか?自信をもってYesとはいえない。いつか自信をもってYesといえるようになったら、また近藤さんに会いたい、そう思った。

 

 

 

 4、これが人生

PM5:30

楽しい時間はあっという間なもので、気付けばトラックは奈良と大阪の県境の坂道を走っていた。このトラック、上り坂は苦手らしく、近藤さんは『このくそったれがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああーーー』と叫びながらギアを全開にする。どうにか坂を登りきり、下り坂へ。この坂を下れば大阪府だ。近藤さんとの別れも近い。

 

大阪の市街地に入ると近藤さんの大阪案内が始まった。

『右に見えるんがあべのハルカスや、地上300Mもあるんやでー。でかいやろ?』

『左がおなじみ通天閣。ライトアップの色で明日の天気がわかるんや。今日は黄色だから明日は曇り。うーん曇りかぁ。晴れの方が良かったろ?笑』

『ここらへんが”なんば”いうて大阪の一番栄えてるとこや。東京でいうたら渋谷とかそこらみたいなもんや』

 

 

PM6:30

ついにトラックは目的地の心斎橋へ到着。プシューッッと大きな停車音をたててトラックは路肩に停まった。

 

『本当に本当にありがとうございました!近藤さんに会えて良かったです!』

『ワイもにいちゃんに会えて良かったでーおかげで道中退屈せんで済んだわ!あ、そういや名前聞いてなかったな。にいちゃんなんて言うん?』

『けんぼーって言います!』

『けんぼーか、またどっかで会えたらエエなぁ。頑張れよ!応援しとるさかい!』

『はい、頑張ります!!!!』

『ほな、さいならや!!』

 

がっちり握手をして、近藤さんと別れた。

素晴らしい人に出会えて本当に良かった。

 

 

 

出発からおよそ9時間、大阪に到着。

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ここから幾重の困難が立ちはだかりますが、詳しくはまた次の機会に

 

 

〜つつ``く〜